can't dance well d'Etre

経験不足のカラダと勉強不足のアタマが織りなす研究ノート

疑似哲学論考

眼差す主体と生の実感――わたしたちが幽霊であるとすれば。

2018年12月の後半。石井七歩さんのツイートを目撃したことから、ハイデガーの存在への問い、幽霊のような自己、そして眼差す主体としてのわたしたちについての思考を書き出してみた記事。ロジカルなデッサンというよりアイデアのスクリブルかもしれない。800…

【800字】労働への恐怖――能力源は労力高へと縮減される【デッサン#7】

指の赴くままにエッセイ調で字数を決めて書いてみるシリーズの7回目。字数は800字。ふわふわと書いてみました。ひとりの7歳児の経済活動への嫌悪感についてを後付け的に説明してみる試み。それでは、以下より。

女の夢園と男の飛翔――竹宮恵子『ウィーン幻想』より

竹宮恵子の『ウィーン幻想』を読むと、竹宮流の男と女の本質が立てられています。そこからはどのような含みが読解できるのか。わたしの関心は彼女の独特な語彙――「夢園」や「飛翔」――などの、〝概念としての可動範囲〟へと向かいました。むろん、ここで述べ…

【〈私〉と〈仏〉の地続き感】『快慶・定慶のみほとけ』展から

2018年11月7日、ぼくは東京国立博物館で開催されている『京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ』展を観に行きました。 人文系の知識がちょっぴりあるものの、日本史にも仏教美術にも通じていないぼくが何を感じたのか。それをまとめてみます。 超俗と還俗を促…

【占われることの責任】占いは「当たる」のではなく「中る」ものである

近ごろ、鏡リュウジ(1968-)というひとの仕事に関心があって、ちょこちょことつまみ読みしています。その過程で『魂の西洋占星術』(1991)という本を読んだのですが、そこで占いの「当たる・当てる」ことに関する興味深いことが書かれていて、そのことについて…

自由へと進撃する過程について:夕陽的中動態と進撃的能動態

この記事で言及しているのは中動態、【紅蓮の弓矢】【二ヶ月後の君へ】【紅蓮の座標】――Linked Horizon、【見えざる腕】――Sound Horizon、『進撃の巨人』、『ジョジョの奇妙な冒険』(第五部)。長くなっていますが、興味のある話題へと、目次から適当に飛ん…

タニシを料理して、中動態を想う。

タニシを料理したことを記事にしました!…だけじゃなくてその料理をした後で考えさせられたことなどを、中動態の観点を鍵にして書いてみました。 タニシを料理したこと タニシの酒蒸し タニシのリゾット タニシの料理を通して 期待の反作用 経験の文法 意味…

哲学を取り戻す――古典としてのデカルト『方法序説』の読者になって

現代において古典を読むこと、哲学書の読者になることの意義について考えたもの。 人文系の大学に入学すると、初年次にたいてい読むことを勧められるデカルトの『方法序説』について考えることを通して、私は情報過多の時代に固有な意味の深みを探索すること…